Russian Indie Guide-ロシアのインディーロックガイド

ロシアのインディーロック、その知られざる素晴らしき世界

ロシア語バンド検索のコツ

ロシアのバンドを聴くにあたって、一番の大きな壁はロシア語であると思われる。なにしろ文字がキリル文字なのでローマ字読みもできない。
これだけロシアのバンドを掘りまくっている私も、未だにロシア語のアルファベットも完全には覚えていない。それでもなんとかなるのである。この何年かの間に私が自然と編み出した、ロシア語でバンドを検索するコツを伝授したいと思う。

 

ロシア語キーボードを入れよう!

例えばスマホYouTubeを見ていてたまたまかっこいいロシアのバンドを見付けたとして、そのバンドの詳しい事を調べたいとGoogleを開いても、YouTubeアプリからはバンド名をコピーできないので自分で打ち込まなければならない。ああ、もうダメだ、ここで詰む。
でも例えばiPhoneで「ろしあもじ」と打ち込んで変換候補を開くと、こんな風にキリル文字が出てくるのである。とりあえずはロシア語バンド名の単語を見ながら一文字ずつこれで打ち込むことができる。

ロシア文字変換

しかし一文字打ち込む毎に「ろしあもじ」と入れなければならないのは甚だ面倒なので、ここはひとつロシア語キーボードを入れてしまう事をおすすめする。この方が遥かに便利だ。ロシア語キーボードをiPhoneにインストールするとこんな感じになる。

ロシア語キーボード

キーボードを選ぶ時はこんな感じで一番下にロシア語キーボードが出てくる。

キーボード選択画面

新しいキーボードの入れ方はこちらを参考にどうぞ。

[iPhone/iPad]他国の言語を入力をしたい。どうすればできますか?

別の言語で入力する(Android)

windows10でのロシア語入力設定

PCにロシア語キーボードを入れてもどのキーがどのアルファベットなのかは分かりにくいので、スクリーンキーボードを入れると便利だ。こんな感じでマウスでアルファベットを一文字ずつクリックすれば入力できる。言語の切り替えは「Shift+Alt」でできる。

スクリーンキーボード

スクリーンキーボードの入れ方はこちらを参考にどうぞ。Macの事はよく分からないのでググってください(すいません)。

入力にスクリーン キーボード (OSK) を使用する

 

検索してみよう!

さあ、これでまずはロシア語キーボードが入った。いよいよ検索だ。
いきなりロシア語のページを検索する前に、英語のページがあるかもしれない。「ロシア語バンド名+band」で検索すると英語版wikiや英語の記事、バンドのSNSがヒットする事も多い。bandと入れてるのでBandcampが引っかかる事も。
「ロシア語バンド名+バンド」で検索したら日本語ページが引っかかるかもしれないが、これは稀だ。でもやってみる価値は十分ある。頑張ろう。

これでやってみてもヒットしない場合は、ロシア語のページを探してみよう。英語の「band」にあたるロシア語は実は厳密には存在しないようだ(多分)。「group」にあたる「группа(gruppa)」という単語を使って、「ロシア語バンド名+группа」で検索する。ロシアのバンドのSNSアカウント名は「〇〇〇_band」ではなく「〇〇〇_group」となっている事が結構多い。英語慣れしてるバンドは「band」を使っている事もあるが、ここがロシアのバンドである事を見分ける裏技だったりする(編み出しました)。

 

翻訳ツールを使おう!

ロシア語のページを見付けたら、翻訳ツールを使って読んでみよう。Google翻訳やDeepLなどの無料翻訳ツールで十分だ。ブラウザがChromeの場合は翻訳ツールが装備されているので便利だ。
翻訳したいテキスト部分を反転させてそこだけ翻訳したり、そのページのURLを貼り付ければページ丸ごと翻訳されたりするのでお好みでどうぞ。
ただ、Google翻訳を使っての感想だが、日本語に翻訳するとガタついた訳が出てくる事が意外と多い。ロシア語wikiをページ丸ごと翻訳したい時などは日本語訳だとバンド名やアルバムタイトルなどが変だったりするので、英語に翻訳するとスマートな訳が出てくる。英語版wikiを読むのに支障がない人だったらこっちのやり方をお勧めする。本格的なレビュー記事やインタビュー記事などだと英語訳は難しいかもしれないので、こういう場合は日本語に訳したりと使い分けてほしい。

それから、Instagramは翻訳機能が付いているのでロシア語投稿でもちゃんと読める。ロシアのバンドはTwitterはあまりやっていないがInstagramはかなりの確率でやっているのでフォローしてみよう。
またYouTubeアプリのコメント欄もロシア語は翻訳されるので、ロシア人ファンの感想なども読める(英語はなぜか翻訳されない)。

頻出単語は形で覚えてしまおう!

キリル文字は読めなくても、頻繁にロシア語を検索していればよく見る単語が目に付くようになってくるだろう。特にロックバンドを検索しているのなら使う単語はそこそこ決まっているので、「形で覚える」という子供のような方法が意外と役に立つ。以下の単語はもう形で覚えてしまおう!

  • Россия (Russia ロシア)
  • Русский (Russian ロシアの、ロシア語)
  • Москва (Moscow モスクワ)
  • Санкт-Петербург (Sankt-Peterburg サンクトペテルブルク
  • рок (rock ロック)
  • панк (punk パンク)
  • пост-панк (post-punk ポストパンク)
  • поп (pop ポップ)
  • синти-поп (synth-pop シンセポップ)

このくらいを覚えておけば、「ああ、これはライブをやる都市の事を言ってるんだな」とか「ジャンルの事を言ってるんだな」とか見当がつくようになってくるので便利だ。
でも本当はアルファベットが読めるようになると打ち込む時も遥かに楽になるので、私自身もいい加減覚えようと思う。でも覚えてなくても何とかなるもんである。
またロシア語の名詞には性別があるので、形容詞は性別で形が変わる。一応留意しておこう。

メモ帳にメモっておこう!

ロシア語キーボードを入れれば検索はできるようになるが、毎回キリル文字と格闘するのも大変だ。一度ロシア語で検索したバンドは、ロシア語バンド名とラテン読みをメモ帳にメモっておくと便利だ(紙のメモ帳じゃないですよ!一応)。ラテン読みはロシア語を英語などに翻訳した時に出てくる事が多いのでメモっておこう。次回からはこれをコピペすればいいのでずっと楽になる。

また、このブログで気になるバンドがあったらそのままコピペして使ってほしい。このブログはそのために作ったような所も実はかなりある。

さらなる学習

そんなこんなでロシア語に頻繁に触れるようになったら、「ちゃんとロシア語を学びたい」と思う事もあるだろう。
ウクライナ侵攻前は、Eテレで「ロシアゴスキー」というロシア語講座の番組をやっていたのだが、2022年の春からは放送されなくなった。これは本当に残念だ。私は2020年の放送分を録画しているのでセーフだったが。 テキストも買ってあるが一度見た切りなのでまだ全然だ。
でもYouTubeで教えてくれるチャンネルもあると思うので、探してみてほしい。
また、書店の語学コーナーにはロシア語の本もあるので(最近はすみっこにひっそりとだが)、こういった本で勉強するのもいいだろう。私も実はCD付きの本を買っているのでが最初の3ページくらいでストップ中・・・今年は本当にちゃんとやろうと思う。

こういう時代だからこそ、言葉を学んでロシアの文化的な背景を探るのはとても大事な事だと思うのだが、ウクライナ侵攻後は大学のロシア語学科も人気がなくなっているようだし。
でもロシアのロックを聴き続けていると、その響きの美しさには魅了される。早く普通にロシア語が学べる環境が戻ってくる時代になればいいのだが。

あと、ロシア語と格闘していると、英語を聴いた時にやたら聴き取りやすく感じるのでこれは英語学習にも効果があるのかもしれない。2言語同時学習法!英語は「the」をほとんど発音しなかったりとか相当耳が慣れないと聴き取りにくいが、ロシア語はわりと一語一語をちゃんと発音しているような気がする。単語が分かれば意外と聴き取りやすい言語なのではないかと思う。

ロシア語の壁をある程度超えればもうだいぶ楽になってくる。まずは慣れてしまおう!