ロシアの地理的基本知識
ロシア連邦の人口:1.434億人 (2021年)
ロシア連邦の面積:17,100,000 km²(日本の約45倍、アメリカの約1.7倍)
ロシアのGDP:1.829兆US$ (2022年 世界11位、アメリカは25.35兆 US$、日本4.912兆US$。12位の韓国1.804兆US$とほぼ同じ)
ロシアの民族 : ロシアには182の民族が住み、移民は700万人と言われる多民族国家である。2010年の統計によると約80パーセントは東スラブ系民族となっており、ロシア人(民族)が全人口の77.71パーセントを占める。
ロシアの言語:公用語はロシア語であるが、ロシア連邦を構成する各共和国の公用語は29もある。
ロシアの都市 人口ランキングトップ10
- モスクワ(1234万人)
- サンクトペテルブルク(535万人)
- ノヴォシビルスク(161万人)
- エカテリンブルク(146万人)
- ニジニ・ノヴゴロド(125万人)
- カザン(124万人)
- チェリャビンスク(120万人)
- オムスク(117万人)
- サマラ(116万人)
- ロストフ・ナ・ドヌー(113万人)
ロシアは世界で一番面積の大きな国であるが、人口は日本よりやや多い程度である。日本よりやや多い人口が日本の45倍の面積に住み、北海道と同じくらいの面積の韓国とほぼ同じGDPである、と言える。
ウラル山脈を境に西側がヨーロッパ・ロシア、東側がアジア・ロシアに分けられる。ロシア全面積の約75%がアジア側に属すが、全人口の約77%がヨーロッパ・ロシアに居住している。しかしアジア・ロシアにもノヴォシビルスク、エカテリンブルク、オムスクなどの大都市も多い。ロシアの全人口の4分の1が15の大都市に住んでいる。
一般的に言う「シベリア」という地域は実ははっきりとはしておらず、元来はウラル山脈を越えた東側が全部シベリア、とされていた。ソ連・ロシアにおいてはより狭い地域に定義され、ウラル地域と極東地域の間の地域を指すようになった。とはいえ、今も広義ではウラルのエカテリンブルクや極東のウラジオストックも含む場合もある。
はっきりしているのは、「ウラルを越える」と世界が変わる、ということである。シベリア鉄道で東からモスクワを目指す場合、エカテリンブルクを出発すると「いよいよヨーロッパに入るぞ!」となるらしい。
余談だが、ロシアの国土は非常に大きいため、インディーバンドが国内ツアーする時は鉄道を使う事が多いらしい(飛行機代は高いし、車では時間がかかり過ぎる)。シベリア鉄道のモスクワ-ウラジオストク間は7泊8日かかる。
また、リトアニアとポーランドの間に飛び地のロシア領のカリーニングラードもある。
ロシアの気候といえばやはり「とにかく寒い」印象だが、黒海沿岸は温暖である。ゆえにリゾート地でもあり、政府高官や富裕層の別荘も多い。「プーチン宮殿」と呼ばれるプーチン氏の隠し別荘とされる豪華な建物も黒海沿岸にある。
モスクワとサンクトペテルブルク
ロシアのバンドを掘っていると、7割以上はモスクワとサンクトペテルブルク出身、という印象がある。
ではモスクワとサンクトペテルブルクの気質の違いとはどのようなものだろうか?
サンクトペテルブルクは長くロシア帝国の首都であったが、ソビエト連邦成立によってモスクワにその座を奪われた。これは、港町でヨーロッパに近いサンクトペテルブルクは外国に攻められる危険があったので、内陸のモスクワが首都に選ばれた、という経緯がある。
サンクトペテルブルクにはロマノフ王朝の贅を尽くした建築が多くあり、エルミタージュ美術館もあり、文化・芸術の中心であった。ロシア帝国時代のモスクワは田舎扱いされていたが、一躍首都の座に躍り出て、1200万人以上の人口を抱える巨大都市となった。ロンドンの人口は約900万人、パリは約220万人であることからも、東京とほぼ同じくらいのモンスター都市である。
ステレオタイプ的に言うと、サンクトペテルブルクから見るとモスクワは「大きな田舎」で、洗練されておらず効率一辺倒で金の話しかしない馬鹿デカい街、モスクワから見るとサンクトペテルブルクはセンスの良さをひけらかす文化人ぶった街、という印象らしい。これは東京と京都の関係に似ているかもしれない。首都を東京に奪われた文化都市という点でも京都はサンクトペテルブルクに近いかも。サンクトペテルブルクはフィンランドに近いため西ヨーロッパの文化がいち早く入ってくるので、ソ連時代から流行の最先端である。港町で海外の文化がいち早く入ったという点では横浜っぽさもある。サンクトペテルブルクっ子は美しい自分たちの街を熱愛しているが、これも京都人が京都を熱愛する様や横浜人が「横浜出身」をやたら主張する様に似ている。「おしゃれなサンクトペテルブルク、お金と政治はモスクワ」という感じかも知れない。
サンクトペテルブルクの文化はモスクワの文化に対するカウンター的な立ち位置であるのは容易に想像できる。サンクトペテルブルクっ子は京都人と横浜っ子のハイブリッドなんだ・・・と思うとなかなかのものがありますなw
独立国家共同体(CIS)
ソ連が崩壊する時に、バルト三国を除くソ連構成共和国12か国によって結成された国家連合体。本部はベラルーシの首都ミンスク。
その後ジョージアはロシアが介入した南オセチア戦争によって2009年に脱退。ウクライナは2014年のクリミア侵攻以降は事実上脱退状態で、2018年に正式に脱退の意向を表明。
CIS諸国は一般的に共通するものが多い。例えばこの地域で一番使われているSNSはVK(フ コンタクテ)である。
ロシアのバンドはまずはモスクワとサンクトペテルブルクでコンサートを行い、もっと売れると全国ツアー(ウラジオストックくらいまで来るのは相当売れてるバンド)、さらに売れるとCIS諸国やバルト諸国、東ヨーロッパ、イスラエルやトルコを廻る、という感じのようだ。もっと売れると西ヨーロッパ、超ビッグになるとアメリカも目指す。ロシアのバンドがあまり西側に知られていないのは、ソ連時代からの経済圏であるCIS諸国で一応完結してしまうからなのかも知れない。ただ現代はインターネット経由で世界に知られるバンドも多いため、この順序ではないバンドも結構いる。
ロシアの歴史的基本知識
ロシア年表(20世紀以降)
1904 | 日露戦争 |
---|---|
1905 | 血の日曜日事件 |
1914 | 第一次世界大戦勃発 |
1917 | 二月革命 |
1917 | 十月革命 |
1922 | ソビエト連邦成立 |
1924 | レーニン死去、スターリン政権発足 |
1936 | 大粛清(-38) |
1939 | 独ソ不可侵条約 |
1939 | 第二次世界大戦勃発 |
1939 | 冬戦争(対フィンランド) |
1941 | 独ソ戦勃発 |
1945 | 第二次世界大戦終結 |
1953 | スターリン死去、フルシチョフ政権発足 |
1962 | キューバ危機 |
1964 | ブレジネフ政権発足 |
1979 | アフガニスタン紛争(-89) |
1980 | モスクワオリンピック |
1982 | アンドロポフ政権発足(元KGB議長) |
1984 | チェルネンコ政権発足 |
1985 | ゴルバチョフ政権発足(86 ペレストロイカ提唱) |
1986 | チェルノブイリ原発事故 |
1989 | ベルリンの壁崩壊 |
1990 | バルト三国独立 |
1991 | ソ連崩壊、ロシア連邦成立 |
1998 | 経済危機 |
2000 | プーチン大統領就任 |
2004 | 【ウクライナ:オレンジ革命】 |
2008 | メドベージェフ大統領就任 |
2012 | プーチン大統領再就任 |
2014 | ソチオリンピック(2月)クリミア侵攻(3月) 【ウクライナ:ソチ五輪の裏でユーロマイダン革命】 |
2020 | 【ベラルーシ:反政府デモ(~21)】 |
2022 | ウクライナ侵攻 |
ロシアの歴史の流れはとりあえずWikipediaでどうぞ。
またプーチン政権の頃の社会の状況はこちらの記事で書いているのでどうぞ。